「イップス」の治し方!高校野球時代悩まされた僕が教える、もう一度野球を楽しくプレーするまでの道
こんばんは、くまくまです。
実はもと、高校球児でした。甲子園を目指していました。
今は休日に草野球をするくらいの野球人です。
今回はそんな僕が高校時代に「イップス」を発症し、どう付き合ってきたのかの体験談、そして、その経験からわかった治し方について書いていきます。
もし、中学や高校それ以上の方で「イップス」なってしまい、なおしたい、野球がつまらなくなってやめようか…と考えている方の力になれればと思います。
また楽しく野球をしたくはないですか?
もし、少しだけお時間をいただけるならご覧ください。
3年間に及ぶ「イップス」の経験談
発症のきっかけ
僕は、高校時代のある日から「イップス」を発症してしまいました。
もうそれはそれは地獄のような日々の始まりでした。
1年生でキャッチャーだった僕は、先輩のブルペン投球を受けていました。
問題なく球を受け、返球する。そのやり取りの中でふと暴投して「やべっ」と思った次の返球から、うまく送球ができなくなってしまったのです。
失敗したことを激しく申し訳ないと思う気持ちと、「次はしっかり返さなきゃ、フォームはあそこが悪かったな」という考えが頭の中をめぐっていました。
そんなことを考えながら返球した次の球は、ちゃんと返球しようという気持ちとは裏腹に相手のはるか手前にたたきつけてしまったのです。
衝撃でした。
18.44mの半分の地点にたたきつけてしまったり、相手のはるか上を通過する球を投げてしまったり。そのときのフォームはやわらかさを失い、砲丸投げのような動きになっていたと思います。
相手だった夏の大会を控えた3年生の優しい先輩は怒ることなく、接してくれました。
しかし、僕の中には自分が満足に返球もできないふがいなさ、恥ずかしさ、怒り、申し訳なさなど、様々な感情が渦巻いていました。
「大事な大会前なのに、先輩に貢献できないどころか、足を引っ張ってしまった…。」
そんな出来事があった次の日から、送球が満足にできず、「イップス」と向き合う日が始まりました。
3年間のイップス生活
それからというもの、近い距離を満足に投げられることはなくなってしまいました。
当然、練習試合でも出る機会が減り、守備につきたくないと思うようになってしまいました。
先輩とのキャッチボール、ブルペン投球、ランダウンプレー、塁間送球、雨の日の羽打ちの羽投げなどなど避けたい場面は沢山ありました。
「俺の暴投が練習の質を下げている…。うまくなりたい気持ちはあるし、うまく投げられるイメージも沢山している。だけど思うようにならない。このまま満足に送球できないなら俺はチームの邪魔者だ。」
練習中はそう思うようになりました。
「気にするな。」「考えるな、思いっきり投げろ。」
仲間からはそんな声を沢山もらいました。でも、自分では投げるとき意識してるわけではないのです。うまくいくと思いながら何回も投げているのです。
でも、もういい投げ方の感覚がわからなくなるまでになってしまいました。
ひどいときは、球が石ころのような感触に感じました。
投げる前から感覚がおかしいのがわかりました。
そんな状況に耐えながら3年生になりました。
「イップス」の転機
「イップス」克服のために、できることはやったつもりでした。
イメージトレーニング、シャドーピッチング、壁宛、ネットスロー、ネットを背にした同期とのキャッチボール。
これらを繰り返しても、完全に克服することはできませんでした。
家に帰ってからの壁宛などは一日300球くらいやっていたので、肩を痛める原因にさえなっていました。
そんなことを繰り返す中、メンタルトレーニングをやっているチームだったので、もっと深くそれについて勉強することにしました。
メンタルトレーニング自体に「イップス」の克服方法が確立されているわけではありませんが、勉強していく中で自分を見つめたとき、自分がなぜ野球をやっているのかとふと考えるキッカケがありました。
それを考えたとき、答えは「野球が楽しくて好きだから」野球をやっている、続けているという答えになりました。
さらに考えたとき、誰のために野球をしているかと考えたとき、「自分のため」という答えになりました。
野球はチームスポーツなので、他人に貢献しなきゃという考えに陥っていたことに気がつきました。でも、それは他人のために野球をやっているのと同じなのではないかと思いました。そしてそれが、失敗を恐れる原因だったのです。
誰しも、他人に迷惑をかけてはいけないと言われた、失敗したら怒られた経験があると思います。でも、人生の主人公は自分なんだ。もっとエゴに野球を楽しんで良いのではないかと考えるようになりました。
もちろん好き勝手プレーしていいというわけではありません。
自分のために、好きな野球をやるということを強く意識するようにしたのです。
野球を楽しもうということをテーマにプレーすることにしたのです!
そう思えた日から、「イップス」の症状は改善されていきました。
「イップス」のなおしかた
では「イップス」を直すには具体的にどうすればいいのでしょうか?
以下ではイップスの原因、身体面、メンタル面の順番で解説していきます。
「イップス」の原因
「イップス」の原因は、無意識が送球を恐れていることに起因します。
いくらあなたが、「送球は怖くない、大丈夫だ。」と意識の上で思っていても関係ないのです。
一回の失敗で送球=怖いと無意識が認識してしまっているのです。
人間が意識でコントロールできる部分はわずかです。何度も何度も意識して繰り返して無意識にできるようにします。
この無意識の中で、送球=怖いとなってしまったものを変えなくてはなりません。
これがなかなか大変な作業なのです。
人間の恐怖の感情は無意識に深く刻まれます。本来恐怖や畏怖の感情は生き残るために必須のものでした。恐竜をみて怖いと思わなければ真っ先に死にますよね?
その学習プログラムが足を引っ張ってるわけです。
さらに、その怖いなどの感情の発生をコントロールすることも難しいです。
だってゴキブリみたら無条件できもいって思うし、石原さとみは無条件でかわいいですよね?
そのシチュエーションに対面した時に発生する感情をコントロールするのは難しいです。
そういうわけで、一回送球=怖いの場面の遭遇すると無意識がそれをインプットしてしまい、逃げろ!と体に命令するわけですね。これが「イップス」の原因です。
身体面からのアプローチ
さて、散々原因はメンタル系のことだといっておきながら、まずは身体面のアプローチからです。
「イップス」最中はフォームがとんでもないことになっています。なので、まずは動画でそれを撮ってもらってください。客観的にイメージとどれだけずれてるか細かくチェックしてください。
そうするだけでも、現状よりはましになるかと思います。
そして、理想のフォームの感覚を覚えこませるように、
シャドー→ネットや壁→対人(後ろに壁やネットありでプレッシャー軽減)→対人
の順番で練習してみてください。
何事も焦らず、小さな成功体験を積み重ねて、小さな自信をつけることが大事です!
メンタル面からのアプローチ
先ほどの小さな成功体験を積み重ねるのと同時に、自分が野球を楽しんでいるか、自分主体で野球ができているかを気にしてみてください。
この際、監督が、コーチが、仲間が、一切その考えを捨ててください。
あなたが楽しむために野球をするのだと意識してください。
幼少の頃初めてキャッチボールしたときの楽しさを今感じてますか?
自分の送球で始めてアウトにできたときの感動を覚えていますか?
遠くへ投げれるようになった、速い球が行くようになった、理想通りのストライクが投げれた、そんな楽しさを今イメージできますか?
その楽しさを再度経験するために投げるのです。誰のためでもなく自分のために。
その自分のため、楽しむためにやったプレーがベストプレーとなって初めてチームに貢献できるのです。
そのマインドを持ちながら練習ができるようになれば、おのずと「イップス」は改善されていきます。
まとめ
少しでも力になれる内容は提供できたでしょうか。
僕自身100%治ったとはいえません。
少しでも「投げるのいやだなー」とか、「さけたいなー」と思ったときほど失敗します。
ですが、プレー自体に集中していたり、アウトにすることに集中していれば症状は出ません。こころから楽しめていれば、満足に投げられるようになったのです。
もし、この記事をみて再度野球を楽しめるようになったのであれば幸いです。
僕の過去の経験が役に立てば、それ以上に嬉しいことはありません。
今は苦しんでいても、もがいていれば治る日は来ます。
そのときは、是非対戦しましょう。草野球でお待ちしています。では。